中国
のポップカルチャー
は、タイでどれほどの人気ぶりとなっているのだろう
か
?タイにある中国のフィギュアメーカー・泡泡瑪特(ポップマート)のショップに行くと、その人気ぶりを窺い知ることができる。
タイ・バンコクにある「セントラル・プラザ・ラップラオ・モール」にある泡泡瑪特のショップに足を運ぶと、女性のプロイさんが、所狭しと並べられた商品の中から、お目当てのグッズを選んでいた。拉布布(ラブブ)や茉莉(モリー)、ガイコツパンダホヤといった人気キャラクターのグッズを見ると、彼女は気分を高揚させ、ワクワクが止まらないといった様子だった。
プロイさんは取材に対して、「周りに拉布布が好きな友達がたくさんいる。拉布布は癒し系で、それを見ると、気分が良くなる。タイ人は、かわいいものが大好きで、拉布布などのキャラクターは、色が鮮やかで、種類が充実していて、若者の間で大人気となっている」と話した。
バンコクのある泡泡瑪特のショップでグッズを選ぶ男性たち(撮影・姚欣可)。
中国国産アニメ映画「哪吒之魔童閙海(ナーザの魔童大暴れ)」が世界中で大ヒットしているのを背景に、泡泡瑪特が最近発売した同作品とのコラボ企画となる「天生羈絆(前世からの絆)」のフィギュアが入っているブラインドボックスシリーズが売り切れ続出となり、海外のたくさんのネットユーザーの間では、「哪吒」シリーズのブラインドボックスが海外でも販売されることを望む声が高まっている。
タイのTNNテレビは、「中国からタイへ、そして世界へと発信されるおもちゃは、単なる商品ではなく、人々を繋げる現代カルチャーとなっている」と紹介している。
実際、ポップカルチャーのほか、中国の飲食や映画・ドラマ、オンライン文学といった、中国カルチャーのコンテンツが日に日にタイの人々の生活に溶け込むようになっている。
ピリ辛風味の煮込み料理の「麻辣燙(マーラータン)」や白身魚の酸菜ピリ辛煮「酸菜魚」、魚をグリルした「烤魚」、火鍋、鶏肉のピリ辛煮込み鍋の「黄燜鶏」といった各種中国料理から、ミルクティー、コーヒーといったドリンクまで、たくさんの中国の飲食ブランドが東南アジア諸国で店舗を展開し、大人気となっている。バンコクの女性・梅さんは取材に対して、「中国の四川料理はピリ辛で、タイの食習慣とよく似ているので、タイでもとても人気がある」と語った。
2023年7月、タイのマイナー・フード・グループはバンコクに、ピリ辛の「烤魚」を提供するレストランを開店させた。同社の最高執行責任者(COO)は、「タイ市場には、さまざまなスタイルの中国料理がたくさんある。当グループは四川料理に力を入れて、タイの中国料理ブームに乗っていく計画」とした。
またストリーミング・メディアプラットフォームが発展するにつれて、中国の映画・ドラマの海外進出も加速している。電子書籍サービス大手「閲文集団」の侯暁楠・最高経営責任者(CEO)兼総裁は、Asia Television Forum & Market(ATF)で、「東南アジアのビデオオンデマンド市場を見ると、中国のドラマはすでに米国のドラマを超え、現地のユーザーの間で2番目に大きなエンターテインメントコンテンツとなっている」と語った。
2024年、「慶余年第二季(ジョイ・オブ・ライフ 2)」や「与鳳行」といった中国ドラマが東南アジア諸国の動画プラットフォームで続々と人気ランキングトップに立った。中でも、「玫瑰的故事(Full Bloom)」は、ベトナムテレビジョンのVTV1で放送され、国内外から高く評価する声が寄せられた。また、「墨雨雲間(The Double)」は、タイの動画プラットフォーム・TrueIDのランキングでトップに立ったほか、韓国のストリーミング・メディアプラットフォーム・MOAでもトップに立ち、ベトナムのNetflixでも2位に入った。