近代化の過程で、森林という空間の統治・利用をめぐって、人間と人間との関係はいかに調整・構築されたのか。
ドイツ、中国、日本、仏領インドシナそれぞれの歴史的社会における統治権力の形態とそれに規定される諸権利の分配のあり方に着目。
それらを相互に比較することにより、権利を支えるシステムが成立する歴史的・社会的プロセスを把捉する。
ISBN
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978-4-585-22234-7
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Cコード
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C3020
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刊行年月
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2019年2月
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判型・製本
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A5判・上製 312 頁
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キーワード
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世界史, 日本史
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目次
序章 なぜ森林と権力か松沢裕作
第Ⅰ部 直営する権力・奨励する権力
第一章 近世・近代ブランデンブルク=プロイセンにおける御領林経営―権力による直営と領民の利用権飯田恭
第二章 清朝~中華民国期における植林の奨励と民衆の林野利用相原佳之
第Ⅱ部 日本の経験―近世から近代へ
第三章 近世・近代日本の林野制度松沢裕作
第四章 明治初年の林政と地元住民による官林利用―信濃国諏訪郡旧高島藩領を事例に坂本達彦
第五章 明治前期の県庁と森林・原野―福島県の場合を中心に松沢裕作
第六章 近代日本の国有林野制度の定着過程と地域社会―福島県東白川郡鮫川村の事例青木健
第Ⅲ部 競合する権力・遊離する権力
第七章 中・近世のニュルンベルク帝国森林と政治諸権力―帝国都市とブランデンブルク辺境伯の対立構造を軸に渡邉裕一
第八章 仏領インドシナにおける植民地支配と森林難波ちづる
終章 森林利用における統治と権利の諸形態松沢裕作
あとがき
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