オレンジジュースとコーヒーをカップ氷に入れれば、アイスオレンジコーヒーが、そしてグレープジュースと炭酸水をカップ氷に入れれば、さわやかな気分になれる炭酸グレープジュースを作ることができる。そんな便利な「カップ氷」が、暑さが厳しい今年の夏、アイスクリームやペットボトル飲料、ミルクティと共に、人気商品となっている。
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生鮮スーパー「盒馬鮮生」だけでなく、ローソンやtoday、セブンイレブンなどのコンビニで、農夫山泉などのメーカーのカップ氷が3.5-9.9元(1元は約22.2円)で販売されている。市場で販売されているカップ氷には大きく分けて2タイプある。水だけを使って作られた氷が入っているタイプと、コーヒー味やフルーツ味の氷が入っているタイプだ。味付きの氷が入っているカップ氷のほうがやや値段が高くなっている。
カップ氷の値段は3元ほどと、ペットボトル飲料とそれほど変わらないため、ドリンクの材料と組み合わせて購入すると、そのトータルの値段はコーヒーやミルクティとさほど差が無くなる。それでも、「カップ氷派」の人は、3元でひんやり爽やかなドリンクを作ることができるだけでなく、「SNS映え」する写真が撮れると考えている。
ソーシャルコマースプラットフォームの「小紅書」で、「カップ氷」を検索すると、「カップ氷で好きなドリンクを作る」や「カップ氷DIY」、「カップ氷でカクテル」といった各種書き込みがヒットし、その数は4万件以上となっていた。
業界関係者によると、「カップ氷」購入者の主力軍は若者で、それが大ヒット商品となっているのは、主に若者のライフスタイルの変化に伴い、必要となる商品も変化しているからだとしている。以前なら、中国では夏でも温かいドリンクもしくは常温のドリンクを飲む人が多かった。しかし、若者のエネルギーの摂取のスタイルや体質が変化し、今では氷が入った冷たいドリンクが人気になっている。その影響で人気の商品もカップ氷へと変化しているのだ。また、カップ氷は、コーヒーや各種ドリンク、お酒などと、好みで組み合わせることができ、自作の冷たいドリンクを飲んで、暑い夏を涼しく過ごしたいという若者のニーズにもマッチしている。また有名ブランドが関連商品を打ち出し、トレンドをリードし、さらに、ソーシャルメディアが追い風となって、関連商品がオシャレなドリンクとして人気になり、より多くの若者がそれを購入するようになっている。