「二連の蓮」の咲く日に、美しい中国にて皆さんをお待ちしています
——2018中日観光大連交流大会での基調講演
(2018年5月27日、中国大連)
·中国観光研究院院長・戴斌
尊敬する中国文化観光部副部長・李金早様、
尊敬する日本国自民党幹事長二階俊博様、
ご来賓の皆様方
この『中日和平友好条約』締結40周年の年に、李克強総理は訪日を果たし、安倍首相は「日中関係はすでに新たな段階に入っている」と宣言しました。この「新時代を迎えている」はまさに観光を含む社会各界の関係者の共通認識となっています。私たちはすでに海を渡った朱鷺が水辺で羽ばたく姿を目にしました。海を超えて戻ってきた「大賀蓮」がこの夏も再び大きく花開くことを期待しています。
過去十年間、随行団の一員として中日韓三国観光閣僚会議に参加し、視察と学術交流の中で、私は何度も日本を訪れ、また何度も訪中した日本の友人をもてなし、両国観光市場の繁栄発展を目の当たりにし、観光産業協力の紆余曲折を経験しました。この貴重な会議の場を借りて、今回この場にいない日本の友人たちに、「馬上相逢あいおうて紙筆しひつなし 君に憑よって伝語でんごして平安を報ぜん(馬上にて人に出くわしたものの筆記用具を持ち合わせていなかったので、無事でいるという伝言をあなたに頼みたい)」という詩を贈りたいと思います。
一、奈良県知事·荒井正吾氏
2015年秋、荒井知事の招待を受け、私は初めて奈良を訪問し第六回東アジア地方政府会合に参加し、『中国人観光客から見た奈良、中国人観光客を奈良へ誘致する好機』という基調講演を行いました。あれから月日は流れ、あっという間に三年が過ぎました。この間ずっとご成功を願っておりました!
荒井知事の努力と影響のもと、自然が美しく、文化に富んだ奈良、暮らしぶりが素晴らしく、平和を愛する奈良はますます多くの中国人観光客を魅了しています。唐招提寺、朱雀大路、毛筆、墨汁、漆器などの文化遺産、集物女、処女牛、柿の葉寿司、飛鳥鍋などの日本料理、そして市民公園のいたるところで見られる鹿、匠の精神の伝承と市民の笑顔は、観光客に深い印象を残しています。今後は、より多くの日本の皆さまに荒井知事のように、中国の西安、敦煌、北京、上海、深圳、大連などを訪れ、五千年の文明を有し、近代化の道のりにある中国を自らの目で見て、風景が美しく、人々が幸福に暮らす中国を実際に体験し、民族の偉大なる復興と人類運命共同体の建設を図っている中国を体感していただきたいと思っています。人々の間で友人を尋ねるように交流が活発になれば、指導者と政治家の戦略構想はより簡単に実現できるようになるでしょう。
つい最近、李克強総理が日本を訪問し、安倍晋三首相と何度も会見を行い、双方は科学技術イノベーション、ハイエンド製造、シェアリングエコノミーと介護医療などの分野での実務協力の推進について合意に達しました。これは素晴らしいニュースです。荒井知事には早い段階で中国を再訪していただき、お茶を飲みながら、文化の伝承と次世代の成長を語り合い、共に中日両国の主流メディアにて交流の願望と協力の共通認識を発表し、ソーシャルメディアにてお互いの好感と相互尊重を示したいと思います。協力という共通認識があり、国民同士の好感があれば、中日観光交流の継続的な発展に自信を抱くことができるでしょう。
二、東洋大学·竹村牧男学長
昨年春、竹村学長の招待と学校側の招聘を賜り、私は東洋大学を訪れ国際観光学部開設記念シンポジウムに参加し、『若者の未来&中日観光の活力』というタイトルで、学生たちに学術講演を行いました。昼食のときに竹村学長がお話された中日文化交流の長い歴史、教育科学研究協力の洋々たる前途、修学旅行の大きな意義などの観点、及び妖怪学に関する言い伝えなどの話が深く印象に残っています。島川教授、梁春香教授などの大学の方々との学術面での切磋琢磨と誠意あるおもてなしは、まだまざまざと思い出すことができます。
教育文化は若者の心の距離を縮める架け橋です。長年、拡大し続ける留学生の規模と日増しに活発なる海外文化センターは中日両国の若者の交流に前向きで効果的な制度を提供しています。竹村学長の影響力とカリスマ性を通じて、より多くの小中高校と大学、研修機関にて中国の言語文化の授業を開設し、中国の歴史文化と自然地理を教えるだけでなく、様々な形で現代中国の経済社会の発展状況を紹介していただきたいと思います。若い学生には中国を訪れ言語を学ぶだけでなく、専門を学び、実習実践し、日常交流の中で学者、公務員、専門家、労働者、農民などの普通の中国人と友人になり、友人との日常的な付き合いの中で真の中国を知っていただきたいと思います。さらに竹村学長と東洋大学の教員・学生の皆さん、日本各界の若者が中国を訪れ、学習、交流、観光、レジャーを楽しんでいただきたいと思っています。事実、全域観光と質の高い観光戦略の推進に伴い、中国の美しさは伝統的な観光地だけに限らず、どの都市にも、どの農村にも、どの開放空間にも、どの季節にも異なる魅力があり、体験し、分かち合う価値を有しています。