製造企業が初めて600万社突破、新エネ車の年間生産台数が1000万台突破、年間宅配便取扱個数1500億個突破、5Gユーザーが10億人突破、5G基地局が400万ヶ所以上、R&D経費が3兆3000億元突破、そしてショートドラマ市場規模は500億元突破が見込まれる。2024年、中国は経済、科学技術、文化などの重要分野で様々な「突破」を実現した。数字が更新され、数々の「突破」が成し遂げられた背後には中国経済の好転し続ける質の高い発展があるだけでなく、こうした「突破」の一つ一つには中国式現代化がしっかりと実践されていることが反映されている。
製造業:「大から強へ」
中国の製造企業が初めて600万社突破
2024年8月31日現在、中国の製造企業の総数は初めて600万社を超えて603万社に達し、前年末比5.53%増加した。
製造企業の増加には、以下のような3つのプラスの傾向がみられる。①中国の製造業はハイレベルになり、戦略的新興企業が増加し、中小企業が発展・拡大のポテンシャルを持つ新勢力になった。②中国の製造業は強くなっており、中国企業トップ500社のうち製造企業が半数を超える264社に達し、製造業の付加価値額は引き続き増加し、世界に占める割合が30%を超え、14年連続で世界一となった。③中国の製造業はよりバランスの取れた構造になり、600万社を超える製造企業は規模もタイプもさまざまで、あらゆる産業に分布し、産業チェーンの川上から川下へと広がっている。
新エネ車の年間生産台数が1000万台突破
2024年、中国の新エネ車の年間生産台数が1000万台に達した。
中国が新エネ車の生産・販売台数を統計体系に組み込んで1年目となった2013年の生産台数はわずか1万8000台だった。それからわずか12年で、1万台から1000万台という指数関数的な成長を遂げた。こうした新エネ車産業の急成長が実現できた理由として、自動車産業の電動化、スマート化などトランスフォーメーションによるチャンスを掴み、新たな競争の場で先頭を走り、新たな成長源を育成し、新たな優位性を築いたことが挙げられる。
物流:世界とつながり、国内外を連結
「中欧班列」の運行本数が10万本突破
重慶市の重慶団結村中心駅から11月15日午前10時20分、重慶市とドイツのデュイスブルクを結ぶ国際定期貨物列車「中欧班列」のX8083号が出発した。これにより「中欧班列」の運行本数が延べ10万本を突破し、輸送した貨物は1100万TEU(20フィートコンテナ換算)を超え、その商品価値は4200億ドル(1ドルは約157.2円)を超えた。
2013年に「一帯一路」(the Belt and Road)共同建設イニシアティブが打ち出され、国際定期貨物列車「中欧班列」の運行がスタートした。そして2016年になると「中欧班列」は統一したブランドとして確立された。その後、2016年から2023年にかけて、「中欧班列」の年間運行本数は1702本から1万7000本以上にまで増加し、10倍近くに増えた。そして運行本数1万本に要する日数は90ヶ月からわずか6ヶ月にまで短縮された。また、1ヶ月あたりの運行本数は、今年3月から8ヶ月連続で1600本を超えている。
「中欧班列」はすでにアジア・ヨーロッパ全域をほぼカバーしている。また中国国内においては、時速120キロで走行する「中欧班列」の運行路線が93本に達し、125都市を結んでいる。さらに国境には、阿拉山口(アラシャンコウ)通関地、霍爾果斯(ホルゴス)通関地、二連浩特(エレンホト)通関地、満洲里通関地、綏芬河通関地、同江北通関地の6ヶ所が設置され、これらの通関地の通過本数も着実に増加している。中国国外においては、「中欧班列」の達する地域が欧州では25ヶ国227都市、アジアでは11ヶ国100都市以上に達している。
年間宅配便取扱個数1500億個突破
2024 年11月17日、中国の年間宅配便取扱個数は初めて1500億個の大台に乗り、過去最多となった。
1500億個の荷物は、一列に並べれば地球と月の間を50回往復できるだけの数で、2022年の全世界の宅配便取扱個数の約80%に相当する。月平均を見てみると、中国の今年1-10月の月平均宅配便取扱個数は140億個に達しており、これは日本と韓国の2022年の年間取扱個数を上回る。中国の宅配便業務は高い基数で急成長を続けており、その増加率は世界平均の3倍以上であり、間違いなく世界の宅配便市場の「原動力」と「安定化装置」になっている。
小さな宅配便が千の都市と百の産業をつなぎ、オンラインとオフラインを結びつけ、経済運営の「毛細血管」として機能している。1500億個の荷物には、中国経済の盛んな活気が秘められている。
対外貿易:大きなポテンシャルが潜む
中国の越境EC企業が12万社を突破
商務部(省)の6月の発表によると、中国の越境EC企業はすでに12万社を超え、これらの企業が海外で登録した商標は3万件以上になった。過去5年間で、中国越境ECによる貿易の規模は10倍以上に拡大している。
越境ECは中国の対外貿易の発展を力強く支える力であり、国際貿易の発展における重要なトレンドでもある。ここ数年、越境ECは海外倉庫など新しいタイプの対外貿易インフラと連携し、発展ペースが速く、成長のポテンシャルが大きく、牽引的役割が強
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デジタル経済:新たな成長の原動力
データベース市場規模が500億元突破
人工知能(AI)の新たな波により、世界のデータベース産業は絶えず変革が行われ、複数の強者が競い合う構造が徐々に形成されている。「データベース発展研究報告(2024年)」によると、2023年には世界のデータベース市場の規模が約1010億ドルに達して、初めて1000億ドルを突破した。中国のデータベース市場の規模は74億1000万ドル(約522億4000万元、1元は約21.6円)となり、世界の7.34%を占めた。
国家戦略の牽引により、中国のデータベース産業は勢いよく発展する段階および重要な応用段階に入った。
通信:5Gの構築が質・量ともに向上
中国の5Gユーザーが10億人突破 5G基地局は400万ヶ所以上
2024年、中国は5Gの構築において重大な発展を遂げた。2024年11月末現在、中国の5Gユーザーが10億200万人に達し、携帯電話ユーザー全体に占める割合は前年末比9.4ポイント上昇の56%となった。5G基地局は前年末比81万5000ヶ所増の419万1000ヶ所に達した。
中国では、回線速度が1000Mbps以上のインターネットが全ての市で普及し、5Gが全ての郷で利用可能になり、全ての村にブロードバンドが普及するなど、インターネットサービス能力が高まり続けている。ユーザーが多く、応用範囲が広く、ハイクオリティのインターネットが、より広く、深く社会と人々の生活に溶け込み、実体経済のデジタル化、ネットワーク化、スマート化へのモデル転換をバックアップしている。
科学研究:力強い革新原動力
R&D経費、3兆3000億元を突破
2024年10月発表の「2023年全国科学技術経費統計公報」によると、2023年の中国の研究開発(R&D)経費の総額は前年比8.4%増の3兆3357億1000万元だった。
中国のR&D経費は2012年に1兆元を、19年に2兆元を、22年に3兆元を突破した。現在のR&D経費は米国に次ぐ世界2位。
23年のR&D経費投入強度(R&Dの対GDP比)は前年比0.09ポイント増の2.65%で、その成長率が第13次五カ年計画(2016−20年)以降の0.02ポイントという年平均水準を上回った。
R&D主体別に見ると、中国の社会全体のR&D経費に占める企業の割合は米国(79.0%)と日本(79.4%)に近く、ドイツ(67.4%)やフランス(65.8%)などの欧州諸国を上回っており、企業が革新的発展を支えている。
文化娯楽:中国文化の新たな「名刺」が誕生